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岸信介はCIAの走狗ではなかった!?

       
     
        
                   アメリカに潰された政治家たち
                            孫崎 享

           戦後から今に続く自主独立派と対米追随派の暗闘

                吉田茂と昭和天皇と第2次世界大戦



戦後史の正体 」 の著者:孫崎享さんの9月29日発売の新著 「 アメリカに潰された政治家たち 」 には、驚くべきことが書かれています。

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昭和の妖怪と評された 岸信介 はこれまで児玉誉士夫や正力松太郎、池田大作などと同じくCIAのエージェントとして日本を支配した政治家として見られてきましたが、ここには全く真逆のことが書かれています。

岸信介というと、日米安保改訂 = 60年安保ですが、この安保条約を締結したのが吉田茂。 日米安保条約には日米行政協定が付随しており、日米安保5条に対し、行政協定29条と具体的なことはこちらで指定されています。 この行政協定が安保改訂時に、日米地位協定と名前を改めています。

岸信介は、安保条約はアメリカに一方的に有利な条約であって、これを相互契約的なものに切り替えることを意図し、同時に具体的な取り決めがされている行政協定も全面改定すべく、アイゼンハワー大統領、ダレス国務長官に迫ったとのことです。

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         左)岸信介、中)アイゼンハワー、右)アレン・ダレス&ジョン・ダレス兄弟
             アレン・ダレス(弟)はアイゼンハワー大統領時のCIA長官
                    ジョン・ダレス(兄)は同じく国務長官


首相就任2ヶ月後の1957年4月には、参議院内閣委員会で 「 日米安保条約、日米行政協定は全面的に改正すべき時代にきている。」と、発言し、それまでアメリカのポチと思われていた岸が敢然と対アメリカ自主路線を唱えるに至ってダレスCIAは、岸失脚の画策を始めます。

それが60年安保。

当時全学連の事務所の電話は電話代が払えず、時々止まってたものが、安保闘争が始まった途端に金回りが良くなり、早稲田大学からの動員では当時1台5000円の都電・7000円のバスを20〜30台もチャーターして学生を送り込んでいます。 以前より全学連に流れた資金が右翼とかCIAとかの噂はありましたが、孫崎さんは、全学連の書記長:島茂郎が右翼の田中清玄から資金を受け取り、松永安左エ門( 電力中央研究所理事長:この電中研に関しては311・ホルミシスに関して今後も度々言及しますので覚えておいて下さい。)との関連も具体的に描写しています。

つまり、岸信介打倒は、アラブの春 〜 地球上で稀に見る善政を敷いてた為に滅ぼされたカダフィー打倒と同じ構図 = 何もわかってない学生・労働者・市民に動員をかけた謀略だったことが浮き彫りとなってきます。 実際、当時の学生運動家のコメントも掲載されていますが、殆どの学生は日米安保の内容を何も知らなかった。と証言しています。( そこが今回の首相官邸前抗議行動との大違い。今回、官邸前に集まる人は似非ニッポン政府による多くの隠蔽・歪曲・捏造を熟知した個人の意志で動いている人たちで、60年安保時の「 扇動・動員 」によるものとは決定的な違いがあります。)

さて、岸信介はやはりCIAから莫大な資金を受け取っていたようです。
当時の金額で毎年200万〜1000万ドル。 1ドル360円ですから、11〜36億円。 当時の国家予算が1兆円なので、CIAから自民党への工作資金は国家予算の0.3%。 これを現在の一般会計+特別会計の約500兆に換算すると30億が1兆5千万円! 自由党と民主党が合併した1955年から東京オリンピックの1968年の14年間で計算すると、その額、21兆円!
「 アラブの春 」のメインターゲットだったムバラクが13年間で10兆円のCIA工作資金を猫ババして倒されたのと比較すると、冷戦の最前線に位置する日本への工作資金としては打倒な額かと思われます。
ムバラクは単に私腹を肥やすためにこれをスイス銀行などに退蔵したわけですが、岸はこの資金を元に強固な国内固めを行い、対米自主独立志向の日米安保改正・日米行政協定改正を展開したようです。 

そして、岸が軽くみていた学生運動はCIAの資金注入により首相官邸・国会包囲となり全国の大学占拠となり、また国会突入時に女学生が圧死する事件も起こり、退陣を余儀なくされます。 更に身内であるはずの内閣内では、池田勇人副総理・河野一郎総務会長・三木武夫経済企画庁長官の強烈な無理難題のふっかけにより、日米安保改正が一定レベルの相互条約にはなったものの、日米地位協定と名を変えた日米行政協定の中身は殆ど改正されることなく現在に至ることとなったそうです。

アメリカの資金で対アメリカ独立の政策を遂行しようとしたわけだから、そりゃ、引きずり降ろされるよね。


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                         対米追随派の肖像
                      吉田茂 池田勇人 三木武夫


三木武夫は、戦前南カリフォルニア大学に留学し、1948年には芦田首相の退陣後、マッカーサーから 「 次は君の番だよ。 総理大臣をやりなさい。」と云われて辞退したと云うエピソードが他ならぬ奥さんの著書に書かれているそうですが、それほどまでにアメリカから仕込まれているポチだったのです。 「 清廉潔白 」が売り物の三木武夫の実像とはこんなもので、田中角栄を法廷に引きずり出す強引な手法もこれで納得が行くというものです。

そして、岸退陣と同時に首相の座に据えられた( 米によって )のが、吉田茂の一番弟子にして吉田内閣で大蔵大臣と通産大臣を歴任した池田勇人。
所得倍増計画で人気を博し、以降の高度成長へと繋がりますが、その起爆剤として投下されたのが 1947年にGHQの下部機構として発足した「 隠匿対造物資事件捜査部 = 後の東京地検特捜部 」によって収奪された「 M資金( 天皇の金塊 ) 」 をアメリカによる戦後復興資金として投下したものとも思われます。

そして、大東亜戦争と戦後史の要にいるのが池田のボスの吉田茂。
吉田茂は、1936年に駐英大使となっているが、この時の最大の任務が「 天皇の金塊 = 日清戦争時の6億テール金塊 」の運用で、これに失敗( 穴開けた?)と、さる事情通(A)は語る。 また、第2次世界対戦終了直前の1944年7月にブレトンウッズで開催された会議「 ブレトンウッズ会議 」に昭和天皇の名代として出席したとは別の事情通(B)が語る。 この会議で、IMF( 国際通貨基金 )と国際復興開発銀行 = 世界銀行の設立が決定され、日本は第2次世界対戦の敗戦により1930年に設立されて以来のBIS( 国際決済銀行 )の主幹事国の座を降りることが決まった。 なぜ、日本がBISの主幹事国であり得たのか? その理由は別の項に譲るとして、(A)(B)共に、「 天皇の金塊 」絡みの話しで、ここから吉田茂はその代理人としての位置づけが透けて見えてくる。 その吉田茂は葉巻姿で有名ですが、これはヒットラーがムッソリーニを真似たのと同じく、チャーチルを真似たもの。

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            トレードマークの葉巻と顔もよく似ている吉田茂とチャーチル


孫崎さんは著書の中で次のように書いてます。

  世間での一般的なイメージは、「 吉田茂はアメリカと対等に渡り合った宰相 」
  とされていますが、現実にはまったく正反対の政治家でした。
  表向きは対等を装いながら、ただアメリカの言いなりで、
  いわば戦後の対米追随路線の基礎を作った人と言えます。
 
  60年安保闘争は、岸ら自主路線の政治家が、吉田茂の流れを汲む
  対米追随路線の政治家とアメリカの反政府デモ拡大工作によって
  失脚させられ、占領時代と大差ない対米従属の体制がその後の日本史に
  セットされた事件だったと言えるのではないでしょうか。

岸信介と共に吉田茂によって自由党を除名された自主路線派の石橋湛山首相はわずか2ヶ月後に肺炎で倒れて岸信介首相となりますが、主治医は「 肺炎で痩せたものとは理解できない。」と発表していて、田中角栄・大平正芳・竹下登・橋本龍太郎・小渕恵三・中川一郎・中川昭一などと同様のGHQ〜CIAによる毒盛工作が連想されます。

さて、その吉田茂ですが、1951年、サンフランシスコ講和条約の調印後、単身で日米安保条約と日米行政協定に向かいます。 向かった先はゴールデンゲートブリッジを眼下に見下ろすプレシディオ将校クラブの一室。 ほの暗い下士官用の食堂で吉田茂は調印させられた。 とは前出事情通(A)さんの弁。 一国の総理大臣が、夜中にこともあろうに「 下士官食堂 」で、日本の命運を決める条約に調印させられたのです。
また、日米安保条約と日米行政協定の事前協議はどのようなものであったのでしょうか?

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    1951年、サンフランシスコ講和会議へ向かう機上にて白洲次郎(左)と吉田茂(右)

また、吉田茂は昭和天皇直属の忠実な部下であったと思われます。
満州事変 〜 大東亜戦争には昭和天皇の影が見え隠れします。
上述の「 天皇の金塊 」を巡る動きや戦後の金融システム確立にも絡んでいるように思えます。 裕仁親王( 昭和天皇 )の訪英が、1921年。 その時吉田茂は在英大使館附一等書記官でした。 裕仁親王は3週間以上イギリスに滞在しますが、この時から二人の結びつきは強固となったのでしょうか?



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この図は、鬼塚英昭さんのDVD「 日本の秘密 」に語られている内容をベースに、若狭和朋さんや松重楊江さんの著書に書かれている内容を加味して、大東亜戦争開幕時と日本側の情報筒抜け状態、それに終戦工作に関わる人脈図としてまとめてみたものです。


さて、孫崎さんの新著によって岸信介は 「 実は売国奴ではなく、自主独立路線を貫いて失脚させられた 」と云う評価に変じてきます。
そうなると、岸信介の孫:安倍晋三の自民党総裁返り咲きと妙にタイミングが合ってきます。

安倍晋三が2007年9月の首相辞任に関して下痢( 潰瘍性大腸炎 )が原因だったというのが通説になっていますが、実際にはアメリカからの莫大な資金( どうも「 天皇の金塊 」が絡んでいるようです )のカツアゲにさらされてケツをまくった。 というのがどうやら実際だったようです。 その後を受けた福田康夫ものらりくらりと交わし、麻生太郎( 天皇家の一族となり、訪欧時にはバチカンに参拝している )の時、この資金( の一部? )をヨーロッパ救済のためにIMFに寄付したのが中川昭一:財務金融大臣で、これにより玉金太郎とゴミ売越後屋による酩酊会見が仕組まれ、挙句の果てに暗殺されてしまったのでした。

安倍晋三は、 マッキンゼー維新の会・ハシシタに秋波を送っていますが、 実は隠れ原子力推進派だったハシシタと同じく、原子力のことや核物質の何かるかについてはまるで無頓着のようです。
反対に、311フクシマで放射性物質が怖くて東北から逃げたと奥さんの手紙に書かれたとされる小沢一郎も同じくハシシタとの提携が噂されていますが、もしも安倍晋三が 「 自主路線 」 を貫くなら、アメリカのポチ = ハシシタ ではなく、小沢一郎との共闘に親和性があるものと思われます。 安倍は小沢から原発・放射性物質の何たるかをじっくりレクチャーしてもらうのが良いのではないでしょうか。
そして安倍宗任(あべのむねとう)の子孫と云われる安倍晋三は、2006年の自民党総裁選出馬に際して岩手県の安倍一族の守護神をまつる磐神社で出陣式を行なっており、岩手の小沢一郎との関連もあります。

次の総選挙で、非国民主党が壊滅する中、自民党も割れて小泉シンパのアメリカポチ勢力と袂を分かち、安倍・小沢新党が誕生すると面白い展開になりそうです。



対米追随派( 米ポチ )と自主独立派で 戦後の首相を分類すると以下のようになるでしょうか。

 対米追随派
   吉田茂、池田勇人、三木武夫、中曽根康弘、宮澤喜一、小泉純一郎、野田佳彦

 自主独立派
   鳩山一郎、石橋湛山、岸信介、田中角榮、大平正芳、竹下登、橋本龍太郎、
   小渕恵三、安倍晋三、鳩山由紀夫、( 小沢一郎 )
  

10月2日 追記

  news log
  産経新聞記者がガッツポーズした安倍新総裁誕生の瞬間(上杉 隆)
  http://news-log.jp/archives/4151

  フリーライターの島田健弘氏(自由報道協会理事)によれば、
  新総裁就任会見前、このような用紙が配布されたという。

  〈 次第・方法 )

  (1) スチールの「頭撮り」を行う。
  (2) 司会の塩崎恭久報道局長が新総裁記者会見を行う旨挨拶する。
  (3) 冒頭、新総裁が挨拶をする。
  (4) 平河クラブ幹事社(代表者)が予め提出した質問項目に基づいて質問する。
     幹事社一社につき一問。
     代表質問の進行は平河クラブ幹事社(代表者)が行う。
  (5) 平河クラブ幹事社(代表者)の質問が終了後、
     予定の時間内で平河クラブ加盟社に限り質問を受ける。
  (6) 報道局長が会見終了の挨拶を行う

  まったく6年前よりもひどい。
  あの頃もひどかったが、少なくとも、その前の小泉政権で、
  世界でも類を見ない記者クラブ制度のこうした談合実態は、
  少しずつではあるが改善に向かい始めていたのだ。

     関連エッセイ
     記者クラブはナチス産!
       ~ 情報統制・隠蔽・捏造の殿堂:記者クラブ
       ~ これから戦前以上の言論弾圧が始まる!


  「 その責任は大変大きなものがあるわけでありますし、
  その責任は、私がこの総裁選挙に勝利したことで消えるわけではありません。
  この責任をしっかり果たし、その経験を胸に刻み付けながら、
  今、私はすっかりおかげさまで、健康を回復させていただきました。
  経験を生かして、この難局に立ち向かっていきたい。
  この経験を今こそ生かしていけるという声もたくさん頂くことができました。
  総理として、何度も首脳会談を行いながら、外交において様々な経験をしてきた。
  今、民主党の外交敗北によって、日米同盟が危うくなっています。
  今までの経験、こうした外交の経験も生かしていきたいと思っておりますし、
  総裁として、選挙に勝っていくため、私自身失敗の経験もしていますが、
  そういった失敗も生かしていきたいと思っているのです 」
    
  何言ってんだろ、この人?
  読んでるこっちが恥ずかしくなってくる。
  だめだ、こりゃ。。。。。




 孫崎享 「 アメリカに潰された政治家たち

 目次

  序 章 官邸デモの本当の敵
  第1章 岸信介と安保闘争の真相
      1.安保闘争の大ウソ
      2.岸信介とCIAの暗闘
      3.メディア・官僚の対米追随体制
  第2章 田中角栄と小沢一郎はなぜ葬られたのか
      1.田中角栄が踏んだ 「 本当の虎の尾 」
      2.最後の対米自主派、小沢一郎
      3.アメリカにNOと言った政治家たち
  第3章 戦後最大の対米追随政権
      1.オスプレイが示した野田政権の本性
      2.日米地位協定という不平等条約
      3.TPPで日本経済が崩壊する
      4.尖閣問題で得するアメリカ
  特別鼎談 2012と1960 国民の怒りが政権を倒す日
        孫崎享 ✕ 長谷川幸洋 ✕ 高橋洋一
  終 章 本当の 「 戦後 」 が終わるとき
  特別付録 アメリカと戦った12人の政治家

 



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                      祝! アメリカ、日本再占領!
                       いい国つくろう、何度でも。
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                    .
by nueq | 2012-10-01 12:58 | 1984 NWO

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